妊娠中の歯科治療について
歯科治療において妊娠に関わる問題としては、レントゲンの問題、鎮痛剤や抗生物質などの薬剤の問題、そして麻酔注射の問題、痛みなどのストレスの問題などが挙げられます。
このうちレントゲンの問題に関しましては、鉛などのエプロンにより防護をして撮影を行えば、まず問題が生じることは無いと考えられているようです。
しかしながらどうしてもご心配なようでしたら胎児の器官形成がほぼ完成する12-16週以降に、レントゲン撮影を行えば、より影響は少ないものと考えられます。
治療内容によっては、レントゲン撮影を行わないでも治療可能な場合もありますし、逆にレントゲン撮影がどうしても必要な場合もあります。
また虫歯や歯周病の状態によっては、治療の緊急性をも勘案したうえで、出産後に治療を延ばすことも可能かもしれません。
鎮痛剤や抗生物質などの薬剤の問題に関しましては、胎児などへの影響が確認されていない薬剤も有りますので、かかりつけ歯科医の主治医の先生が、産科の先生あるいは薬剤士の先生と良く相談したうえで、薬剤を用いるべきかどうかの判断をされることが多いと思います。
炎症などにより強い痛みや感染などが生じた際で、これらの薬を使用しないと全身への悪影響が生じると判断される場合には、使用するメリットとデメリットを天秤に掛ける必要が生じる場合もあります。
麻酔注射の問題に関しましては、まず問題になることは無いと考えられます。
逆に麻酔注射無しで歯を切削するなどの治療を行った際に、痛みが生じる場合は、その痛みがストレスとなり全身へ影響が出ることもあります。
なお麻酔薬や添加してある薬剤などにアレルギーなどの既往がある場合は、要注意です。
歯科治療上でまず問題が生じることは無いと考えられますが、出来ましたら妊娠前にきちんと治療を終えていただきたいと存じます。
また妊娠中は口腔清掃も不良になりがちですから、かかりつけ歯科医院で口腔清掃法についてご指導をお受けになることをお勧めいたします。